「味噌汁に入れた豆腐は分解されてしまって、わずかしか残っていないので、アミノ酸ができているのは間違いありません。」

「なるほど。しかし、アミノ酸は酸っぱくないということでしたね」と町会長。

「おっしゃる通りです。アミノ酸が入っていると、酸っぱく感じるのではなく、うまみを感じます。」

「それでは、味噌汁は、なぜ、酸っぱくなったのですか」と町会長。

「味噌汁に乳酸ができたためです。」

「乳酸というのは、ヨーグルトに入っているやつですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「渡辺さんは、味噌汁にヨーグルトも入れていたのですか」と町会長。

「ヨーグルトは入れていません。」

「それでは、なぜ、味噌汁に乳酸ができたのですか」と町会長。

「調べてみると、みそには植物性乳酸菌が入っているのです。」

「『植物性乳酸菌』と言いますと?」と町会長。

「『植物性乳酸菌』という言葉は、東京農業大学の岡田教授が1988年に書いた論文で、初めて使っています。」

「乳酸菌には、動物性と植物性の2種類があるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。岡田教授の『植物性乳酸菌世界とその秘める可能性』によると、ミルクの発酵に関わるのが動物性乳酸菌で、植物質の発酵に関わるのが植物性乳酸菌だそうです。」

「動物性の乳酸菌を味噌汁に入れても、乳酸はできないということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。味噌汁には動物性の乳酸菌が生育するのに必要な栄養が十分にはないことや、嫌気性菌に入る乳酸菌はカビや好気性菌に比べて増殖速度が遅いので、カビや好気性菌に必要な栄養を先取りされてしまうことで、増殖できないようです。」

「しかし、植物性乳酸菌は、味噌汁の中で増殖できるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。『植物性乳酸菌世界とその秘める可能性』に『発酵食品ばかりでなく、様々な天然物にも乳酸菌は生息している。すなわち、果実表面、花蜜、植物体からの浸出液、そして葉や茎の表面など、発酵という過程がなくとも乳酸菌は認められる』という記載があります。」

「植物性乳酸菌は、植物に付着しているのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。植物性乳酸菌は、動物性乳酸菌と比較すると、色々な環境に適応できる強い乳酸菌なのです。」

2021/8/27

<それじゃあどうする34>
ピノキオ化の悪化は、息子と居間で食事をしようとした時、突然、起こった。その時まで、ピノキオ化に本質的な変化は見られなかったが、体力が上がっているため日常の生活に問題はなくなっていた。例えば、50歳ぐらいの時の速さで走ることもできたし、駅前の歩道を歩いていても後ろから追い越す人は少なかった。筆者が追い越した人の方がむしろ多かった。

ところが、その日は食事をしようと食卓のところにおいてある座布団に座ろうとしたが、スムースに足が動かないのだ。しかし、足に筋力がないわけではない。例えば、完全に座り込むような位置まで腰を落とすスクワットも無理なくできる。

しかし、2階への階段を手すりに頼らず登ることができたり、2階から駆け下りられたのが、この日を境にできなくなってしまった。特筆すべきは、スムースに歩くことができず、走ることもできそうになかった。しかしながら、日常生活はスピードを落としさえすれば問題なくできた。例えば、マキタの5リッターの噴霧器を満タンにすると8.3キロの重さになるが、それを左手で持ち、右手で噴霧管を持って栗林に除草剤を撒くことはできた。

問題なのは、同じことをするのに今までの倍近く時間がかかることだ。高段者編詰碁を135問解くのに数時間かかるので生活が困難になってきた。DMAEは、経絡的に体が緩むのを加速させるので、動体視力が上がるのも加速させる。だから、DMAEを飲むのはやめていたが、飲むのをやめたからと言って動体視力が下がるものでもない。それどころか、動体視力はDMAEを飲むのをやめても上がり続けているのだ。筆者としては、滅多にない大ピンチにおちいってしまった。<続く>

2024/8/12